正しい地盤調査

〔スウェーデン式サウンディング試験〕(略称:SS試験)

こうしてわかる地盤の強さ、弱さ

地盤調査法としてはいくつかありますが、代表的なものは「スウェーデン式サウンディング試験」とよばれるもので、北欧の国スウェーデンで国有鉄道敷設の際に使われたことから、この名前がつきました。
この試験により、地盤の中の様子を調べることができます。日本の一般住宅の地盤については、今、ほとんどのところでこの方法を用いています。比較的簡単な機材を使用するため狭い場所でも調査が可能であるという大きな利点をもっています。

調査の手順

  1. この調査はまず、スクリュウ状の槍のように尖った鉄の棒(ロッド)に、合計100kgの重りを載せることから始まります。ロッドには25cm刻みで目盛りがついていて、重りを載せただけでロッドが地中に沈んでゆくかどうかを確かめます。
  2. 最大100kgの重りを載せても沈んでいかない場合、次にロッドを回転させ、木ネジをねじ込むように貫入させます。この時、25cm置きに回転数を記録していきます。回転数が多ければ多いほど硬い地盤であり少なければ少ないほど軟らかい地盤ということになります。
    特に注意すべきは、重りを載せただけでロッドが沈んでしまうような地盤です。もし立ち会われる機会があれば、目安として「重りだけでロッドが沈めば軟弱地盤」と非常にわかりやすい調査法です。
  3. 調査箇所は1箇所ではありません。地盤のバランスが大変重要になってきますので、可能であれば敷地の4箇所〜5箇所で調査をします。 スウェーデン式サウンディング試験の場合、調査深度は10mが限界です。
  4. どのような地盤であろうとも、事前に充分な「地盤調査」を行い、それぞれの地盤に適した基礎を用いて建築する限り、家は傾くものではありません。そのためにこそ「地盤調査」を行ってください。

より確実な調査結果を報告するために

現地へ調査に向かうと同時にぜひ知っておきたいことがあります。それは建築を計画されている敷地が過去に、深さにして約50cmを超えるような穴がなかったかということです。
井戸・防空壕・浄化槽・農業の方であれば収穫物を貯蔵するために掘った芋蔵・家庭排水を地中に浸透させるための吸い込み、大木を引き抜いた後の穴やゴミを 埋めるために掘った大きな穴などがこれに該当します。このような大きな穴でも土を入れて埋めてしまえば、何の変哲もないごく普通の平らな土地に見えてしま います。しかし乱れてしまった土は元の硬さに戻るまでには100年1000年単位の時間がかかるといわれているので、このような場所では局部的に極めて軟 弱な地盤が生じることになり、不同沈下の原因となってしまいます。軟弱と予想できる場所をあらかじめ分かっていれば、その周辺で重点的に調査を行うなどし て、建物を建築する上での充分な情報資料となります。

地盤調査結果(データの見方)〔スウェーデン式サウンディング試験〕

地盤調査で得られた結果はこのような「調査データ」となって、数字に置き換えられます。
一見、見慣れない言葉が並んでいますが、その意味を知るとどなたにもわかりやすいデータにまとまってます。

貫入深さ(m) 貫入量(cm) 荷重Wsw(kg) 半回転数(Na) 1mあたり半回転数(Wsw) 換算N値 観察記事 推定土質
0.25 25 50 0 0 1.5 ユックリ (盛土)粘性土
0.50 25 50 0 0 1.5 ユックリ
0.75 25 50 0 0 1.5 ユックリ
1.00 25 75 0 0 2.3 シャリシャリ 砂混り粘性土
1.25 25 100 3 12 3.6 シャリシャリ
1.50 25 100 5 20 4.0 シャリシャリ
1.75 25 100 18 72 6.6 シャリシャリ
2.00 25 100 25 100 8.7 シャリシャリ
2.25 25 100 48 192 14.9 シャリシャリ
2.50 25 100 56 224 17.0 シャリシャリ
2.70 25 100 100 500 35.5 シャリシャリ
貫入不可
  1. 貫入深さロッド貫入量の合計です。
  2. 貫入量最大25cmを1単位とした場合の貫入した量。
  3. 荷重(Wsw)貫入に要したおもりの重さ(25・50・75・100kgの順に荷重をかける)
  4. 半回転数(Na)貫入に要した回転数(荷重100kgの時のみ、回転を加える。 1/2回転を1回と数えるため、半回転と呼びます)
  5. 1mあたり半回転数(Nsw)4.を1mあたりに換算したもの。単純に4倍したものですが、w値という地盤の硬さを表す標準単位を出す計算に利用します。
  6. 換算N値推定土質(粘性土と砂質土に大別する)のちがいに基づいて、3.及び5.の数値を下記の数式により、標準貫入試験(ボーリング試験)N値に換算したもの。
    数値が小さいほど軟弱な地盤です。(稲田氏の数式を採用)
    粘性土 N=0.03Wsw+0.050Nsw
    砂質土 N=0.02Wsw+0.067Nsw

調査方法

  • a.調査方法  スウェーデン式サウンディング試験(自動または手動)
  • b.調査箇所数 1宅地4〜6ポイント(不良箇所があれば調査箇所を増やします。)
  • c.調査深度  最高深度10m、または影響範囲まで調査します。

 

自動(ジオカルテ)

手動

注)上記の方法で、地盤の解析が出来ない場合があります。その場合、他の地盤調査方法(ボーリング調査・平板載荷試験等)にて、解析する事をお勧め致します。

ジオカルテの仕様(自動式)

型式 SS154型 SS164型
供給電源 AC100V 50Hz 15A AC100 V60Hz 15A
試験方式 SS試験方法に準じたコンピュータ制御による自動試験
試験荷重
荷重設定
自沈状態を自動検出し、荷重を自動切換え
各段階において0〜1KNまでキー入力により任意設定可能 通常は0.25,0.50,0.75,1KN(25,50,75,100kg)に設定
チャック開閉方式 自動でロッドをチャッキング、手動で開放
貫入ロッド φ19×750mm溝付き(三角ネジ)
ロッド回転速度 約25rpm
ロッド回転トルク 最大135N・m(13.8kgf・m) 最大141N・m(14.4kgf・m)
昇降部上昇速度 188.5mm/秒 150.8mm/秒
制御方式 マイコン制御
制御装置寸法 W340(440)×D240×H515
試験データ記録
(記憶容量)
自沈時は状態が変化するごとに記録
35ポイント分(10m貫入、自沈なしの場合)
試験データ出力
出力内容
内臓プリンタで印刷、RS-232Cを使用してパソコンなどに出力
試験番号、試験年月日、試験データ