ボーリング調査(標準貫入試験)とは?
ボーリング調査とは穴を掘って地盤の状況や地層境界の深度などを調べる際に用いられる地盤調査方法です。その歴史は古く、確認されている中で最も古いのは、炭鉱での石炭調査に用いられた事例です。ボーリング調査は地面に円筒形状の孔をあけて、一般的に深さ1mごとに標準貫入試験(N値という強度の計測)を実施して土のサンプルを採取します。これによって、掘っている部分の土質や強度が判断できるという調査方法になります。
なぜ、このような調査をするのかというと、建物下の地盤状況を調べる場合や、杭を打つ場合にどれくらいの深度まで根入れが必要なのかを調べるためです。軟弱地盤では建物をしっかり支えることができません。また、マンションなどの大きい建物の重さ(荷重)は表層の地盤が支えることができる重さ(地耐力)よりも大きいことが多く、杭などを強度のある地盤まで打ち、建物荷重を伝達する必要があります。
杭工事を採用する場合は、支持層まで杭を施工する必要がありますが、その支持層は場所によって異なります。海沿いの土地では、支持層までの深度が50mを超えることも珍しくありません。敷地のボーリング調査をすることで、適切な杭の長さや本数を決定することができるのです。
ボーリング調査(標準貫入試験)でわかることとは?
- 土質
土をサンプル試料として採取することができるので、土質の観察などを行うことができます。この試験は、1mごとに行われるのが一般的です。 - 地層境界の深さ(標高)
地表からの地層境界の深度を知ることができます。 - N値(地盤の強度)
地盤の強度を示すN値は、標準貫入試験の結果として求められます。この試験は、63.5kgの重錘を76cmの高さから自由落下させて、SPTサンプラーを30cm貫入するために必要な打撃回数をN値とします。N値の数値が大きいほど強度のある地盤であることを示します。 - 地下水位
厳密な意味での地下水位と完全一致はしませんが、孔内水位を目安としています。地下水位は降雨や季節で変動するのです。ボーリング調査では強固な地盤を掘進する際に水を使用しますが、地下水位を測定するためには最初の水位が確認できるまでは水を使わない無水掘りで進め、その結果確認された初期の水位は地下水位として有効な情報となります。